西本智実:クリスマス・アダージョ・・・
『世界的指揮者、西本智実がクリスマスに贈る初のミュージカル・コンサート!
本場NY・ブロードウェイ、ロンドン・ウエストエンドから豪華歌手を迎え、
厳かなクラシックアダージョから誰もが一度は耳にした事のあるミュージカルナンバーまで、珠玉の名曲を多数披露!
世界的マエストロのタクトの下、ミュージカル界で頂点を極めた一流の歌声をお届けする豪華絢爛な舞台は必見!』
と、こんなふうに前宣伝されたコンサートに行ってきました。
サントリーホール前のカラヤン広場は冬花壇が綺麗に整えられていました。
夜にはライトアップされるのでしょうか。コニファーにはイルミネーションコードが巻かれています。
ホールのホワイエもクリスマスデコレーションが優雅に上品に飾られています。
天井には豪華なクリスタルのシャンデリアが輝きます。
皆さん、携帯をかざして写真を撮られていましたよ~。
西本智実
リー・ミード
イ・ソジョン
シンフォニエッタ・クラコヴィア
~プログラム~
第1部
ミュージカル『オペラ座の怪人』より序曲
ミュージカル『レ・ミゼラブル』より
「夢やぶれて」
「空の椅子とテーブル」
マスカーニ:歌劇『カヴァレリア・ルスティカーナ』より間奏曲
プッチーニ:歌劇『マノン・レスコー』より間奏曲
ミュージカル『アスペクツ・オブ・ラブ』
「ラヴ・チェンジズ・エヴリシング」
第2部
ハチャトゥリアン:組曲『仮面舞踏会』よりワルツ
映画:『ティファニーで朝食を』より
「ムーン・リバー」
ジャゾット・アルビノーニのアダージョ
ミュージカル『ミス・サイゴン』より
「神よ、何故?」
「命をあげよう」
「世界が終わる夜のように」
チャイコフスキー:バレエ組曲『くるみ割り人形』より「花のワルツ」
「ウィンター・ワンダーランド」
西本さん、新しい燕尾服で登場でした。
話は聞いていたので、どんなかな?と期待感いっぱい、

登場された時は、えっとびっくりしました~

クリスマスモードなのでしょうか、多分このコンサートツアー用の燕尾なのでしょうね、黒いスタンドカラーで袖口と前身頃に赤いラインが入った、そうですね、おもちゃのマーチの兵隊さんみたいな燕尾でした。

このコンサートで私の一番印象に残った曲、
アルビノーニのアダージョです。
この曲は悲しい思い出とともにあります。
これを聴きながら、何度泣いたことか。
父が倒れてすぐの頃、まだ急性期の病院に入院していた時の話です。
毎日の病院の帰り道、車の中で聴いていたのが西本さんのCD「ノスタルジー」で、その中にこの曲が入っていました。
あの頃父の状態は厳しくて、脳梗塞の部位がどんどん広がって、暗い見通ししか持てませんでした。悲しくて切なくて、どうしようもないほどつらかった時、この曲が流れると泣けてきて、何度泣いたことか。
嘆き悲しむような弦とオルガンの響きは、私の悲しみを助長するようなものでしたが、それでも泣ける曲が聴きたかったのでしょう、何度も繰り返し聴いたものでした。
この曲が生で聴けて一年前を思い出しました、今回は少しの涙とともに・・・。
アンコール曲は「きよしこの夜」でした。
お二人の歌手さんが最初は英語で歌い、途中からはメモを見ながら日本語で。
そしてそのあと「ご一緒に~」と会場の皆を誘います。西本さんも「さぁ、一緒に歌いましょう」という振りを見せ、皆の声を促します。
西本さんに誘われたら歌わないわけにはいきませんね。
はい、しっかりと歌ってきました~。
そんなこんな、最初は歌手は邪魔!なんて思いながらも終わってみれば心はほのぼの、一足早いクリスマスプレゼントを頂いた気分になりました。
もちろん、デマチもしてご挨拶と握手もしていただきました。
そしてやっぱり、「また聴きに行こう」と思うのでありました。
